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ピアノ演奏はナント宇仁菅氏本人が !! − ストレッチマン製作裏話 |
----(な)撮影秘話とかはありますか。
「それはもういろいろありますよ。(ロケ開始時の)最初の2本だけはもう、とにかく『カッコよく撮ろう』ってイメージが先行しちゃって。建物の屋上の、ボイラーとか水槽のタンクとかってあるじゃないですか。あそこの上からとりあえず『とう』とやってみようかなんて話がありまして。で、まぁいいかと思ったんだけど、その上に乗ってみたらこういう丸〜い形のところが意外に狭くて、そこへ乗って『じゃ宇仁菅さんそこで飛ぶ格好お願いします。ポーンと飛んで降りてでいいですから』って言われて。でも丸くなってるもんだから飛ぶにとべないし、屋上だから3F〜4Fぐらいで高いし。そういう恐怖を味わったこともありますね。
あとは子供たちが興奮しちゃってね、言うこときかなかったりとか。」
----(み)ストレッチの最初の挨拶がありますよね。あの挨拶の言い回しとかっていうのは御本人の中でイメージ‥例えば普段からああいうような芝居をなさっていたとか。
「最初の方から話をすると‥まず最初に前節のところで話をするというのがどうも、堅苦しいのが多かったんですよ、最初の頃はね。やっぱりNHKですから、そんなふざけたことはできないっていうイメージありますよね。わりと普通のお兄さん的な挨拶が多かったんです。で2〜3年目になってきてからやっぱりどうもマンネリがね、だんだんマンネリ化してくるのをどっちも恐れてきましてね僕の方もNHKの方も。そうすると、じゃあいろいろ生活の中であることをなんでもいいからとりいれてみようということになりまして。こちらからもアイデアを入れましてね。だから俳句や短歌を詠んだりとかしたし、それから何やったかなぁ‥」
----(み)春だねーっていうような季語・季節のとかありましたね。
「そう、季語もありますね。それから、まったく関係のない自分のこととかも言っちゃったりしたりとかね。とにかくハチャメチャでやってきだしたのはもうホントここ1〜2年じゃないでしょうかね。1年ぐらいじゃないかなぁ。」
----(み)衣装が変わった時にまたかなりトーンがあがった感じがしてワクワクしました。
「(笑)だからここ1〜2年は非常に楽に撮影とかできるようになったんですよ。やっぱり最初の1〜2年はね、ディレクターと一緒にいろいろ悩みました。台本の内容ですとか、それから子供たちにどう体操をやればわかってもらえるかとか。画面に立って右手と左手の話‥僕が例えば右手をあげてとか右手を腰にあててとか言った瞬間に、子供たちが見てる時は反対にうつるじゃないですか。片足をこうあげてとかね、その時ややこしくなる。だからそれを右手と言わないで片方の手をこうやってと言って次はその反対の足をとか、そういういろんな体操の苦労っていうんですかね、それは長いこと1年から2年ぐらいかけてずっとディレクターとこうでもないああでもないってのはやってきましたね。」
----(な)ストレッチの指導は誰かやられるんですか。
「井上先生(※5)という大阪の養護学校の先生がやられています。僕は所詮ただの役者でストレッチに対してプロではないですから、打ち合わせの時に来ていただいて、この体操のポイントはこれだという具合に先生に指導を僕がいただいているという形ですね。」
----(シ)宇仁菅さんがストレッチを何処かで学んだとか、そういう訳でもなく‥
「僕はまったく‥まぁ役者ですから体使うためにストレッチをアップの時にやる程度で、さほど専門的な知識はないです。体育の学校を出たということもまったくありませんし。」
----(み)確か工業大学‥
「土木です。」
----(み)在学中は演劇部とか。
「いや〜そういうのじゃなかったです。野球やってたから野球部で、あと中学校の時には野球部とブラスバンド部を一緒にやってました。」
----(み)ブラスバンドでは楽器は何を。
「ドラムとエレクトーン。こないだの茶摘みのやつ(※6)は自分で弾いたんですよ。」
----(シ)なんと!
----(み)いやなんと!
「実は生なんですよあれ。(弾いている時の映像が)背中になってるから、吹き替えと思われた方も多いと思うんですが生です。あれ、楽譜も何もなかったんですけど、怪人と打ち合わせやってる間に‥」
----(み)「怪人と打ち合わせ」(笑)
「ディレクターが『時間が余っちゃう』って。で、登場する時に『ピアノに座ってふりむく』って書いてあったから、どうせやったらねぇ、静岡だったし、茶摘みの歌でも弾いてやれみたいな。それで、自分でディレクターに『俺弾くから』って言って弾いて。」
----(一同)(爆笑)
----(シ)てっきり吹き替えだと思ってました。ちょっとズレた感じに見えたもので。
「それはありますね。あの角度で僕も1回見たんですけどね、これじゃ俺が弾いたってわかんねーじゃねえかって思いましたよ。」
----(な)結構怪人が登場してますけど、特に思い出に残る怪人とかはありますか。
「ああ‥やっぱり一番最初ですかね。はじめて小学校にロケ行った時の。『怪人コチチカ』かなんかじゃありませんでしたっけ。最初のは名前もしっかり覚えてますね。やっぱり最初はイメージが強いから。」
----(シ)愛媛県の‥こんなの作ったんですけど。(と、当ホームページの怪人リスト(※7)を印刷したものを差し出す)
「(リストを見ながら)これはあれですよ、文化部の人もやってないんじゃないですか。」
----(み)多分必要がないと思うんでやってらっしゃらないんじゃないかと(笑)。
「はははははは(笑)や、そうか、これだけ出ましたか〜。すごいですねぇ。これは貴重な資料ですよ。是非置いといていただければ‥」
----(シ)五期会さんの方ではホームページとかご覧になれないとうかがってましたんで、まとめて印刷して持ってきました。(当日「ストレッチマン Fun Page」(当時)の全ページ印刷したものを宇仁菅氏にお渡しした)
「ありがとうございます。まぁパソコンとか、いわゆるそういうのが好きな人が何人かいますんで、その人達は見ることがあるんじゃないのかな。僕の方はまったく機械とか弱いですから。」
----(な)(リストを見ながら)怪人もユニークな名前のが多いですよね。
「これね、最初の2本だけですけど怪人の名前は僕がつけたんですよ。」
----(シ)あ、やはり。
「今名古屋に行ってらっしゃるんですけれども、黒岩さんというディレクターさんがロケをはじめた人なんですよ。マイクも今までなかったのをつけてくれたり、ユニフォームを新しくしてくれたりしてね。その黒岩さんと怪人の名前を考えてて、(怪人を演じる先生の名前が)カズチカで、体固い怪人だからもう『コチチカ』にしとけとか言って勝手につけたら本当にコチチカになっちゃって。次のはダラダラしようだから『ダラキバ』だとかつけたらそれになっちゃったりとかね。その2本以降はだいたいディレクターが名前つけてますね。」
----(み)ロケ先については、学校の方から「うちに来てください」とか依頼がある訳ですか。
「両方ですね。来てくれっていうのもありますし、こちらから依頼するのもありますし。もう行ってないのは北海道と沖縄ぐらいですからねぇ。東北も行ったし中部も行ったし関東も行ってるし。」
----(み)東京に来ないんですよね。
「あ、そういえば東京には行ってませんね。」
----(な)(ロケ先の)場所の選定基準とかはありますか。
「バラバラですね。まぁ、東北地方だけをターゲット絞って行きますとか、そんな感じで行きますね。」
----(シ)ロケは泊まりでまとめて撮影したりとかするんですか。
「そうです。3日ぐらいかかってやりますね。」
----(み)近々関東に来るご予定とかないですか。
「どうでしょう‥今度は冬に北海道行くって言ってましたけどね。風邪ひくぞと思ってねぇあのタイツでねぇ。あの衣装のまま、頭にタオルのせて温泉につかろうかとか言ってますけど(笑)」
----(み)一時ノバス長官が続いたり、再放送だったりした週がありましたよね。あれは何でしょうね、我々は素人なもんだから「もしかしたら予算がつきちゃったのかな」とか思ったりしたんですが。
「やっぱりそうでしょ、予算であるとかそういうことからでしょうね。なんせ言いなりで、行ったり来てくれって言われて行って、まぁ言うたら機構的にはもう商品のひとつでしかない訳で、詳しい事情とかはわからないです。」
----(み)長官の喋りはいいですよね。カタカナで喋ってるような感じがとても好きなんですよ。
「あれは、せっかくだからちょっと自分と変えようと思ってやってますね。」
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