ぶらりパスネットの旅 うまいうますぎる十万石饅頭篇(1/3)

(↑上の日付は旅行日を示しています)
2001/4/12 初版作成

【次回次回と言っていたのが今回】

「次回4月」と予告し続けつつも我慢できずぶらりしてしまうこと3回余り。待ちに待った埼玉高速鉄道開通の時期がやってきた。4月と予告してきたのは、「開通してすぐは本物の鉄な方々で混雑しているだろうから、ヌル鉄な私は少し時期を遅らせ落ち着いた頃に行こう」と思っていたからだ。しかし結局我慢できずに3月中に行っちまった‥って本当は別にそれなりの理由はあるんだけど、我慢できないってのは嘘でもない。

埼玉高速鉄道に乗りに行ったのは3/31、この日おかげ様で目的のカードの購入は達成できた。そして、もう一つ設定したとんでもない目的も達成することができた。本来の目的とは別の目的を設定するようになり、この「ぶらりパスネットの旅」もSecond Stageに突入。春の雪の中、シマヤンの胸に去来するものは!?(口に去来するものの方が多い)


【3/31のルート】

9:50 大和→(小田急線)→新宿→(JR山手線)→大塚・大塚駅前→(都電荒川線)→梶原→(都電荒川線)→王子駅前・王子→(営団南北線)→赤羽岩淵→(埼玉高速鉄道線)→川口元郷→(埼玉高速鉄道線)→浦和美園→(埼玉高速鉄道線)→東川口→(JR武蔵野線)→南越谷・新越谷→(東武伊勢崎線)→羽生→(秩父鉄道線)→行田市→(秩父鉄道線)→熊谷→(JR高崎線)→大宮→(JR京浜東北線)→横浜→(相鉄本線)→大和 20:37


【3/28 ・埼玉高速鉄道開通!その時私は】

示辺に兄な埼玉高速鉄道開通当日の3/28は、平日なので仕事である。でも午前半休を取得した。鉄休暇だ。いや、いくらなんでも半日で埼玉まで行って帰ってこようなどという無謀はしない。

この日、午前中休暇をとったにもかかわらずいつもとほぼ同じ時間に家を出た。まず向かうのは東急東横線の横浜駅。3/28は埼玉高速鉄道開通の日であると同時に、東急・営団・埼玉高速の三社のみで共通柄の記念カード(埼玉高速鉄道線・営団南北線・東急目黒線 相互直通運転開始記念)が発売される日であるのだ。基本的には同じ柄だが社名表記部分が違うという、まさに私のカード収集ポリシーに合致した記念カードだ。率先して記念モノは収集しないという私的ルールはあるが、埼玉高速鉄道が絡んでいるのでルール緩和。というか、このカードの発売を告知するポスターを見てからというもの、三社のカードが手元に並んで揃っている画が夢に出る程だ。もうルールゆるゆる。そんな訳で是が非でも三社のカードを入手したい。とはいえ、前述の通り午前半休で埼玉までは行っていられないので、3/28は手近の東急・営団のカードを購入することにした。そのための休暇である。

東横線の横浜駅に到着。記念カードは定期券売場にて販売している模様だ。早速突入してみると‥既に記念カードを購入している二人組が。ほ・本物の方だ!記念モノの発売日ならもしかして、とは思ったがついに遭遇してしまった。しかもその方々は私が欲しい記念カードの他、この日東急から独自に出された他の記念カードもまとめて購入していた。トータルで10,000円くらいになるというのに、惜しみない万札のひるがえしぶり。さすが本物だ!あやかりたいけど金ばっかりはな、となるべくその方々と目をあわせないようにして(何故だ)駅職員に希望カードを伝える。しかし本物の方々の気前いい買いっぷりの後なのでなんだか気が小さくなってしまい、「あの、さ、埼玉高速の‥」と小声になってしまった。

しょっぱなからなんとも情けない購入になってしまったが、ともあれ希望の記念カード1枚目(東急)を入手。このカードは台紙付きで、東横線横浜駅では台紙の折り目を伸ばした状態(=折ってない)で渡された。

ちなみに、3/28は東急東横線の特急が運行開始した日でもある。先程書いた「東急から独自に出された他の記念カード」とは、この特急を記念したカード(3種だと思った)である。こちらでは率先して記念モノは収集しないという私的ルール適用。柄見たらイマイチだったんだよね‥といいつつ、横浜駅定期券売場で東横特急記念キャンペーンのチラシを入手。先日応募した京王のキャンペーンと似ていて、期間中に東横線の特急停車駅の刻印があるカードを送ると抽選で109名にサザエ柄パスネットカードが当たるというもの。これは欲しい。この件に関しては、3/28の会社帰りに応募用のカードを購入、普段使わない東横線を使い、3駅分(渋谷・桜木町・横浜)の刻印をつけて4/5に応募した。3/28はちゃんと特急に乗ってみたが、普段乗らないので速いかどうかはピンとこなかった。


横浜を離れ、続いてJR東海道線→京浜東北線と乗り継いで秋葉原駅へ向かう。休暇だけれども実は仕事の用事で秋葉原で買い物をしなければならなかったのだ。なんだかんだ言いつつもキチンと仕事はしている。ここ重要。

そんな仕事は数分で終わり(やっぱりな)、末広町駅から銀座線で新橋駅へ向かう。営団の定期券売場がある駅で真っ先に思いついたのが新橋だからだ。鼻息荒く定期券売場に突入してみると‥なんと「売切」の文字が!東横特急より速ッ!!まだ発売日の午前中だというのに売切‥記念カード購入の厳しさを実感した。

しかし売切なのは新橋駅分だけだ、別の駅に行ってみようと行動再開。その前に、使用できるパスネットがなくなってしまったので、都営浅草線の方で5,000円の路線図柄を購入。前から欲しかった柄なんだけど5,000円ということでためらっていた。しかし1,000円カードはこうもあっさり使い切ってしまうものかという危機感があったので、この度はじめて購入。ちなみに、今買い求めている記念カードは未使用で残すことにした。「買ったカードを使って旅を」という私的ルールも、今回の思い入れの強さから適用せず。

早速購入したTCardで次の目的地・赤坂見附駅に向かう。新橋から銀座線渋谷方面で定期券売場があるのを知っていたのが赤坂見附と渋谷だけだったからだ。


赤坂見附駅

永田町も含めると実に5つもの線が交差する赤坂見附駅。

赤坂見附でも売切だったら渋谷へ向かうつもりだった。しかしその心配は杞憂に終わり、見事記念カード2枚目(営団)を購入することができた。ちなみに赤坂見附駅では台紙を折った状態で渡された。


【天気が悪くても旅をするには理由(わけ)がある】

3/31 土曜日はこの旅はじまって以来の雨模様。ぶらり旅には適さない陽気である。しかしこの日にどうしてもぶらりしなければならない理由が三つあった。

ひとつは翌日の日曜に仕事があること。他の作業員もいるので容易に日程を変更できない、しかもかなり重要な仕事である。だから「天気悪いから今日仕事しよー」という訳にはいかなかったのだ。

二つめの理由は3/28新橋駅での衝撃からきている。即効で売り切れてしまう危険性をはらむ記念カード、しかしなんとしても入手したい。だから1日でもはやく現地へ向かいたかったのだ。正直、日曜の仕事というのは土曜のうちから作業することができたのだが、こんな訳なんで日曜にしてもらった。もちろん「いや、どうしても用事があって‥」と濁して真の理由は打ち明けていなかったが。

そして三つめの理由、それは「はやく埼玉高速に乗りてぇ」だ。結局はそれにつきる。


エゴの塊である動機のもと、雨の中いざ出発。今回から旅の伴に新しいメンバーが加わった。


DS-20 D-460 ZOOM

これまで使用してきたFUJIFILM DS-20(左)と、新しく購入したOLYMPUS D-460 ZOOM(右)。

まずデジカメのパワーアップ。これまでの旅では以前より持っていた FUJIFILM DS-20(35万画素)を使っていたが、これからは3/18に名古屋へ行く際に買った OLYMPUS D-460 ZOOM(131万画素)を使用する。購入のきっかけは名古屋ヒーローショーでも、その時から専らこのぶらり旅で使うつもりであった。よってこやつの愛称は「ぶらり1号」である。

もうひとつ強力な助っ人は、VAIO PCG-C1VR/BPだ。


PCG-C1VR/BP

「お一人様一点限り」とたまごっち並みの人気商品、PCG-C1VR/BP。

これはこの旅のために購入したものではなく、新しく入社した会社から貸与されているものだ。いわゆる仕事用。でも、これ程ぶらり旅に適したマシンを使わない手はない。目ン玉ついてるし。3/31はこれを使いはじめたばかりだったのでわからなかったが、ムービーも簡単に録画できるのね。これからは旅先でみつけたヘナチョコアイテムをムービーをご紹介できる日がくるかもしれない。ちなみにこやつのマシン名は訳あって「プチもぃ〜ん」だ。


【なんで小田急はロマンスカードの名を残さなかったんだろうね】

さて、これら新メンバーをひきつれて出発。今回の主目的は埼玉高速鉄道のカード購入であり、開業したての路線に乗ってくることだ。埼玉高速といえば都心への「直通」がウリである。神奈川方面から攻めるなら、武蔵小杉からブチぬきで浦和美園まで行くのが筋であり、漢の道であろう。しかし私は今回も主目的以外にいくつか別の用事を予定している。これがまた相当時間のかかる用事なので、なるべく時間短縮をしたいところだ。そこで今回は、最初の目的地までの路線をジョルダン 乗換案内で算出してみた。それでいくと、まず相鉄で横浜に出、JR京浜東北線で北上するのが速いらしかった。素直にそうしようかなと思ったのだが‥


えのしま54号特急券

また乗る小田急線 特急ロマンスカーえのしま54号 特急券。今度は出発当日に購入。

‥また買ってしまったロマンスカー特急券。しかも前回と同じえのしま54号。財布の紐を締めねばとか言っていたのにまるで反省の色がない。でも楽チンだからなぁ。これから先の長旅を考えると、どうしても楽できるところで楽したくなる。

特急を待つ間、その前に出発する各停と急行の各車掌が何やら会話をしているのが聞こえた。

各停の車掌「(雨が)雪っぽくなってきたべ〜!」
急行の車掌「こんな日に(仕事なんか)やってらんねぇよ!!」


第三者として聞いていると「何もそこまで言わんでも」という語気であったが、ふりかえってみればサラリーマンの日常的な会話である。確かにこんな日に外の仕事なんてやっちょれんかもしれぬ。でも壁に耳有りクロードチアリ、どこで誰が聞いているかわからないので、あまり汚い言葉は使わない方がいいかもしれない。


[2001/03/31(土) 大和→新宿]
 大和 09:50発
  ↓ 小田急線 特急ロマンスカー サポートえのしま54号 新宿行
 新宿 10:30着 ¥440(+特急券 ¥560)

この旅でロマンスカーに乗るのは三度目で、一度目・二度目共に隣がギャルという至福の時を過ごしてきた。でも三度目ともなると、今度こそオヤジかおばちゃんじゃないかなぁと、乗る前からガックシきていた。が!なななんと今回も隣がギャル!こうなると偶然を通り越してもはや運命、世のギャルがN極なら俺はS極なのかそうなのか!もうロマンスカーに乗るのが病みつきになりそうである。ちなみに今回のギャルは若干ヤンキー系だった(Be-Bop)。


ロマンスカーに乗っていて、いつも気になっていることがあった。ロマンスカーでは車内で車掌さんがパスネットを売っている。しかも1,000円のカードは「車掌区オリジナル」といって車内販売限定らしいのだ。これまでは例の限定は率先して以下略ルールのもと手を出さないでいたが、ついに辛抱たまらず購入してしまった。そしたらなんと、特急あさぎり号 新宿〜沼津相互乗り入れ10周年記念柄であった。あさぎり号!これ程思い出深い電車はない。あさぎりがまだ御殿場までの乗り入れだった頃。新宿御苑横のアニメックへ行ってうる星やつらのポスターやカンペンケースを買いたい小学生の私は、両親に「あさぎりで行け」と指示され、あらかじめ往復のきっぷを買ってもらって新宿へ赴いていた。乗り換えの必要がないので、乗る場所・時間さえ間違えなければ迷子になることはない。トロい私を熟知する両親ならではの配慮だ。しかしまぁそんな頃から行く理由が理由だが、独りで遠くへ行ったことがなかった私と新宿を結んでいたのが他ならぬあさぎり号であった。車内販売で食べた森永のゼリー‥購入したカードを見てそんなことが思い出された。このカードは単に記念・限定というだけでなく、(昔からタクい)過去の自分と、ぶらりしている今の自分を結ぶ、真に印象深い一枚である。これも未使用化決定。最近未使用で残したいカードが増えてきてしまった。集めるカードを選ぶようになったのもあり、だんだん愛着がわいてきてしまった。なんか、はじめはサッカー部の選手とマネージャーといういたって普通の意識しかなかったのに、マネージャーとのケンカや仲直りを繰り返すうち次第に気になる存在になってきて‥‥という、青春ラブコメみたいな感じだ。もしかしてこれって、LOVE?いや愛があるからこそ旅しまくっている訳だが。


【ぶらり旅の王道・都電荒川線】

[2001/03/31(土) 新宿→大塚]
 新宿 10:39発
  ↓ JR山手線 外回り
 大塚 10:50着 ¥160

新宿到着後、いつもの京王チェック(独自カードが出ているか)をし、出ていないことを確認して大塚駅へ向かう。なんで大塚かというと、都電荒川線に乗るからだ。都内に唯一残るチンチン電車、テレビの旅番組でもよく扱われる。数年前に1回乗ったことはあるのだが、やはりこの旅に一度は絡めておきたかった。それと、都電といえば「都電もなか」。乗るなら買いにいかねば。


[2001/03/31(土) 大塚駅前→梶原]
 大塚駅前 11:00発
  ↓ 都電荒川線 三ノ輪橋行
 梶原 11:15着 ¥160

都電は東京都交通局が運営しているがパスネット未導入。改札がないんだからそりゃそうだ。そもそもバスみたいなものなんだよなぁと乗って再確認。普段でもバスには乗らない生活をして久しい私、「止まります」ブザーを押したかったが誰かに先を越されてしまった。ちぇっ(子供)。


梶原駅

都電荒川線 梶原駅。を変な角度から撮影。
雨の日の撮影が難しいのを痛感。

梶原駅に到着。なぜ梶原駅かというと、都電もなかの製造・販売元である菓匠 明美さんがあるからだ。以前都電に乗った時も主たる用事は明美さん行きだった。だから一度行った経験がある‥んだけど、何せ随分前だったもので行き方はすっかり忘れている。なんとなく場所はつかんでいるんだけどなぁ‥と、トボトボと歩いていると、めずらしいモスバーガーを発見。


黒モス

黒いモスバーガー。はじめて見たけど最近は多いのかな?

「悪のモスだ」と喜んで撮影。しかし降りやまない雨の中、傘をさしながら写真を撮るのはかなり困難だ。もともとカメラの扱いが下手なので出来上がりは更にダメ。しかし、そんな状況だからといって撮影を怠けるようなことはせず、変な写真をどんどん撮っていきたい。

黒モスのちょっと先に「梶原銀座」を発見、明美さんはここにある。早速入店だ。店内は雨だというのに数組の客で賑わっていた。混雑でしばらく注文できそうもないので店内を見回していると、来店した芸能人のサイン色紙が写真付きで貼られていた。セピア色に色あせた年季の入ったものの中、ひときわ大きく、且つ数も多い扱いを受けていたのが、一番最近来店したと思われるIZAMちゃんのサイン&写真。Tokyo Walkerか何かの取材のようで、雑誌の切り抜きも貼られていたが‥IZAMちゃんか。ううむ。

ようやく私の番がまわってきたようなので注文。以前来た時は荒川車庫型の箱入りを購入したので、今回は普通の四角い化粧箱に入った14輌入りを購入した。


都電もなか14輌入外箱その1 都電もなか14輌入外箱その2

都電もなか14輌入の箱。フタがすごろくになっている。
中には組み立て式のサイコロも入っていて、もなかの車輌型小箱の先頭部を切り取ってコマにして遊んでほしいらしい。

都電もなか

都電もなかはお餅入り。小箱は4種類、バラ売り(130円)もしている。

更に明美さんには、和菓子屋だというのに車輌型のペーパーウェイト(文鎮)も売っている。しかも8種もある。この他キーホルダー等もあったが、迷わずペーパーウェイト(7000系)を購入。ついでに明美さんのマッチももらってきた。印刷されている電話番号の市内局番がまだ3桁で、手書きで「3」が付け加えられていた。相当数作ってあるものと見える。


ペーパーウェイト7000系

明美さんで売っていたペーパーウェイト7000系。都電沿線の土産と見た。
箱には「チンチン電車」とだけ書いてある。

明美さんのマッチ

明美さんのマッチ。

‥と、実はこれら(すごろくパッケージとかペーパーウェイトとか)については、あらかじめ調査済みだった。目的のものが購入できて、ご満悦で店を出る。

帰る前に店の写真を撮りたい‥けど真正面からだと店内からその姿がまる見えで、ちょっとはずかしかったので少し斜めの位置でカメラを構える。斜向かいのお店のおばちゃん達が井戸端会議をしている真横で、さて撮ろう‥としたら、向こうからおばあちゃんが歩いてきた。通りすぎるのを少しまっていたのだが、なかなか通り過ぎてくれない(歩くのがのんびりなのね)ので、急遽被写体にしてしまうことに決定。


御和菓子司 明美

御和菓子司 明美さん。と、通りすがりのおばあちゃん。
画像をクリックすると、看板(とおばあちゃん)の拡大写真が見れます。

ファインダー越しにはわからなかったが、おばあちゃん、なんとも味のある表情をしてたのね。いいよおばあちゃん。でも「無断で写真を掲載しないでください」とおばあちゃんからメールがきたらどうしよう(多分来ない)。


[2001/03/31(土) 梶原→王子駅前]
 梶原 11:35発
  ↓ 都電荒川線 大塚駅前行
 王子駅前 11:38着 ¥160

いきなりより道の梶原を後にし、ちょっと戻って王子に到着。いよいよ今回の本題にうつる。