朝ガッツ

旅先でガッツ石松氏(以下ガッツ)を目撃した。

ぶらり自己満足の旅の企画で、10/13〜14日にかけて日光・鬼怒川方面へ旅に出たのだが、そこでガッツを目撃。詳細は後日ぶらり旅行記としてアップする‥予定なのだが、他の旅行記がたまりまくった状態でいつ執筆できるかわからない。そこで、重要ポイントであるガッツ目撃記だけ先行してここに記述する次第。ここの文章をそのまま旅行記に転用するかしれない。

10/13は鬼怒川温泉で一泊、翌14日の朝から東武ワールドスクウェアへ赴くべく、鬼怒川温泉駅前のバス停でバスを待っていたら、すぐ隣で何やらテレビ番組の撮影クルーらしき面々が準備をしている様子。興味深げに見て見ぬふりをしていたら(何故見ぬふりをするのだ)、しばらくして辺りがざわめきはじめた。ロケバスと思われるマイクロバスからガッツが登場したのだ!ピンクのYシャツを着直しながらバスを降りたガッツに、私同様バスを待っていた一般人達はじんわり騒然。ただ、撮影の邪魔になるのではとみな一様に配慮しているようで、遠くからカメラを向けている。このあたりに、わりと普通の人にもテレビ番組制作の裏側というか、芸能人を自分より上の人種と考える思想が浸透していることが伺えた。この場合ガッツが恐かったのかもしれないが。しかし一組の団体が記念撮影を恐る恐る申し出たところ「おぉ写真、撮りましょうか」と笑顔で応対するガッツに周りの皆も一変、喜びの感情むき出しで私も私もと撮影を依頼していた。

思いのほか気さくで、それでいてテレビで見られる特有の氏のキャラクター性をこういった場面でも損なっていない「生の」ガッツに、やはり見て見ぬふりをし続けている私はひそやかに感動していた。だからなんで見ぬふりをするのだ私は。その時の感情を、私がバス停に到着したあたりから克明に記録しておこうと思う。


えーとワールドスクウェア行きのバスは9時始発だから、いまは8時45分‥なんと先客がいたかぁ。それはともかく、向こうにいる黒バスはなんだ?カメラや照明機材を持ってる人が数名。テレビの撮影っぽいな。でもテレビ局とかの名前が書いてない。どこの局だろう?このへんの地方局とかかな、それとも近場だからテレ東とかかも。ディレクターらしき人がバス内に向かって説明をしている様子。中に芸能人がいるっぽい。とか言ってる間にこのバス停にも客が増えてきたけど、この人たちは向こうのバスに興味がないみたいだな。それとも私同様見て見ぬふりをしているのかな。あ、私の隣に照明の人が並んだ。どうやらこれから私が乗るワールドスクウェア〜日光江戸村巡回バスの中で撮影するようだ‥とディレクターらしき人の説明を聞いていると、私が降りる予定の「東武ワールドスクウェア園内」の次の停留所「小佐越駅」で一行は降りるようだ。小佐越の駅って看板にワールドスクウェアのキャラが描かれていたっけ。あー小佐越駅も行ってみたくなってきた。小佐越駅から歩いてワールドスクウェアへ行けないことはないし〜‥‥ん?あたりがザワめきはじめたぞ。遠くから手持ちのカメラをひっそり向けている。さてはロケバスの中の芸能人が出てきたな‥

むむうッ!?ガッツだ!!

早起きは三文の得だ。朝からガッツに遭遇するとは。朝ガッツだ。オレより背が低いがそれは当たり前か。それにしても周りの皆が豹変しないのは意外だ。ガッツだぜガッツ。もっと騒いでもいいじゃないか。そういう自分が一番平静を装っているのだが。‥あ、一組が記念撮影を申し入れている。なんとガッツが笑顔でよってきた!依頼した人たちに「どこから来たの?秋田?もう寒いでしょ?」とガッツ。気さくだ!つられて他の皆も撮影を依頼しまくっている。私もデジカメ持ってるし、撮らせてもらっちゃおっかな〜‥(と、ちょっとかわいげにカメラに手をやったところで考える)

このナイスイベントを旅行記に載せる場合の写真としてふさわしいのはどんな画だろう?ガッツ満面笑みのアップ写真じゃないよな。ましてや私とのツーショット写真でもない。やはりテレビの撮影をしている場面を風景としてとらえるのがベストだろう。あまり露骨な記念写真だとページとしていろいろ問題になるかもしれないし。では今の状況はどうだ。他の皆が記念撮影している風景‥他の人の顔をモザイク処理するのもなんだかな。あーどうしよう。こうしている間、興味ないような仕草をしている自分が後々損になってくるように思えてならない。といって急に興味津々な態度をとるのもいやらしい感じだ。ホントはバス停到着時から興味津々なんだけどな‥

とか考えてる間にバスが来ちゃったよ。ついにこの場での撮影はできなかった。もしかしたら小佐越駅で撮影チャンスがあるかもしれないし、とりあえず小佐越駅で一緒に降りることにしよう。他の客にもそういう人がいるかもしれない。降車時、撮影の邪魔にならない様に一番前の席に座ろう。サッサと降りればこちらとしても準備できる。‥と思ったら私の前後を撮影クルーで囲まれちゃったよ。もしかしてこの場が既に邪魔?うわー失敗した、という顔をしたら前にいたADらしき人がかえって済まなそうな顔で返事をしてくれた。そんなことはないのだが。ちなみにガッツは私のふたつ程後ろに着席、走行中にもう一人の出演者と思われる女性(誰か不明)との会話を撮影しているようだ。会話の内容からどうも旅番組っぽいが‥その模様も私の後ろだからあまりよく見えないし。なんだか行動がすべて裏目に出ているなぁ。

当初降車する予定だった東武ワールドスクウェア園内に到着。あら?さっき記念撮影していた一団のほとんどがここでガッツらに礼を言って降りていくぞ。バスを降りた後、飛び跳ねて喜んでいる様はいいのだが‥ということは小佐越駅までついていっちゃうような人って私だけ?あぁあ、余計に恥ずかしくなってきた!これは困ったな‥まぁ、その先まで乗っていっちゃうとワールドスクウェアに行けなくなってしまうし、降りることにしよう。で料金は‥240円。む、小銭がない。両替とかしてたらまたも邪魔になって‥とか考えてる間に着いちゃったよ小佐越駅。両替して‥あぁ、慌ててたら手がもつれてしまった!しようがないなオレも。と慌ててる真後ろでガッツが小銭を支払おうとしている。まさかここも撮影中?だと私が慌てている後ろ姿がぁぁぁ‥でもそれはそれでちょっと嬉しい気もしつつ、持ち歩いている「はまりんマスコット」がうつってるといいなとか淡い期待をしてなんとか降車。

それにしても、ここまでついに興味ないフリをし続けちゃったなぁ。ここで降りたのってやっぱり撮影の一団と私一人だけだし。んー‥とりあえず小佐越の駅を撮影して、ちょっと時間を置いて寄ってみよう。その方が私として希望する「撮影風景」らしき画が撮れるかもしれないしな。


このような奥手な気持ちの連続であった。ガッツ撮影の希望は叶えられぬまま小佐越駅を撮影後、最後のチャンスを掴むべく振り返ってみたら、一行の殆どはロケバスに乗り込んでいた。どうもバス内での撮影で終了らしい。降車したこの場での撮影はなかったようだ。ガッツはもうロケバスの中だった。

‥結局ガッツ撮影はできず、そういえば放送日等の情報も一切聞けないまま、私は小佐越駅から徒歩8分という東武ワールドスクウェアへ歩いていった。この8分の長いこと。徒歩だけにトッホッホだよホント。

いざという時、どうしてページの内容を優先して考えていたのだろう。こういう時こそ無心で、他の皆と同じように撮影を依頼すればよかったじゃないか。それがページで使えなきゃ文章で伝えればいいし、もしかしたら使える写真となったかもしれない。使用の可否も、撮影しなきゃ否という答えしかない。一貫して「通」ぶっていた自分の態度を激しく後悔した。通ぶってるわりに放送日すら聞けてないしな。

そんな自分の反省は今後の糧とするとして、ともかくガッツ目撃が旅行記の一大イベントとなったことは間違いない。ありがとうガッツ。これからのガッツ石松氏に幸・あれかし。で、放送局と放送予定日教えてください(誰に問うか)。