「Kid'sニュース」でよかった探し

日頃からお世話になっている石原さんの「ETV総研」内「おまけ」のページで紹介されていた、「Kid'sニュース」を見てみた。石原さんはこの番組の終わり際を偶然視聴、良い意味での「へなちょこ番組」として注目‥されていたのだが、後日あらためて通しで見た結果、実は「悪い意味でのへなちょこ番組」であることが発覚、以降石原さんのページの読者にこの番組の視聴を推奨しない方針を告知されていた。

私が実際視聴したのはこういった経緯があった直後(2/12)で、見た回は石原さんが詳細リポートをされているものと同じ回。幸い石原さんの警告を肝に命じて見た結果大ダメージを受けることはなかった。とはいうものの、やっぱこりゃひどい(苦笑)。番組の様子は石原さんがページで詳しく解説なさっているのでそちらを参照していただくとして、私が見た感想は概ね石原さんが感じたのと同じである。視聴を完了した後、我が家は何ともいえないダークな雰囲気につつまれ、自らの心の改善を求めるべく青空を見つめようも、その時夜だった(=ビデオ録画で視聴)のでそれもかなわず(笑)、といった状況である。

しかしここで、私の心にはチルトン先生の死に際の言葉がよみがえった。

「『よかった』を探すんだ、ポリアンナ‥」

そうだ、人間一生勉強、そしてよかった探し。前知識があったが故か、こんな番組にも良いところが多少は見つけられたと思う。ここではそれを紹介してみたい。

  • カメラアングル
  • のっけからこれは「悪かった」ことなんだけど(笑)、強引によかったことにしてみる。この番組は司会の小林さつき(謎)+チャンスキッズの3人が椅子に腰掛け、コアラのマー君が立ってフラフラしている、という図がメインなのだが、立っているマー君に画面の縦サイズをあわせているため、他4名がすごく小さい。

    kid'sニュースメイン画面構成

    ↑ちょっとマー君がバカデカな絵になってしまったが、このぐらいの印象ではある。主役の4名が画面下部で小さ〜くなっているのだ。もちろんこの1アングルだけで番組が進む訳ではないが、番組中この図にとられている時間は長い。で、常に全身映してもらっているマー君が活躍しているかというとそんなことはなく、ただ小刻みに動いているだけである。

    またこの図で繰り広げられるトークが最低なのである。石原さんのリポートにもあったが、司会の仕切りは下手、キッズたちは台詞間違えまくり、しかも たかいたくま 君に至ってはトーク中サインペンで遊んでいる始末。これをいわゆる「子供の素」を狙ってあえてNGにしていないんだろうが、あれでは視聴側の不快指数増大間違いなし。もともと私がそういう「素」を嫌うのでなおさら。こういうのも「やり様」だと思うんだが、この番組は悪い例だ。

    ちょっと脱線してしまったが、そういった場の雰囲気も含めてこれはあきらかにこの番組の負の部分である。が、純粋に「へなちょこ」という観点で見ていると、このカメラアングルも笑いにつながらないことはない。ふだん関東キー局の、クオリティの高い番組ばかり見ている身としては、これ程の映像はかえって新鮮でもある。マー君が活躍しないのも、下手にリアクションが大きいよりいいかもしれない。

    これは音量をなくし、環境ビデオとして見ると笑えるかもしれない。

  • オープニング
  • 番組の流れからすると順番が前後してしまうが、説明上あえて後にした。上の「へなちょこという観点」と同じ意味では、このOPはかなり衝撃的。ヘッポコすぎて笑いがわかないこともない。

  • Kid'sオーディション
  • オーディションの模様を流すコーナーで、これがあまり興味のない人間にとってはかなりキツい内容。なのだが、これは「これからオーディションに出たい初心者の親御さん」には参考になるのでは、と思った。オーディションの雰囲気や、実際どんなことをやるのか、といったことを紹介しているので、これからオーディションを受けようとしている人の心構えになるかもしれない。

    ただ、ここで紹介しているオーディション=すべての子役系オーディションかというとそれはどうだかわからないので何とも言えない。

  • Kid'sザ・ムービー
  • 一名をのぞき、あとの二名の演技レベルは小2〜3にしては結構高かったと思う。あんなさんま大先生における「スナック物語」みたいな大人のドラマでなく、もっと歳相応のミニドラマをやらせればもっと好感もてると思うんだけど。「さんま‥」はその製作過程で笑いをとろうとしているんであって、いきなり出来上がりだけ見せられてもね、笑えないっス。

    で、除かれた一名(小1)は「おゆうぎ会」レベルであった。いずれにしてもまだまだこれからの子供たちであるから、演技そのものに文句つける気はない。が、他の二名が思いの他うまかった、ということで。

以上っス。もう無理だチルトン先生(笑)。なんて自分で勝手にやりだしたことだけど。

よかった探しをしてみたけれど、どれも「自分にとっての旨味」ではない。一見良質なへなちょこ番組(これって誉め言葉なのか)なんだけど、内容があまりに視聴者を限定していて、それが自分にとって許容できる範囲ではなかった。こういう番組はこれはこれで成立するんだろうけど、個人的にはもう見ない(笑)。

しかし今回「世の中いろいろな番組があるもんだ」と勉強になった。子役のオーディション情報雑誌を以前見たことがあり、その時は「こんな雑誌があるんだ」と驚いたものだが、今度はテレビ番組である。スポンサーのPR色が濃厚であるものの、それが1本の30分番組として成立している事実はすごいと思った。まだまだ修行が足りない>私。