U.S.TAMAGOTCHI

日本で放映されたものを台詞のみ吹き替えて海外で放送しても、文化の違い等から受け入れられず人気がイマイチだった東映の戦隊を、アクションシーンのみを流用しドラマ部分は海外で新たにつくり全く異なるストーリーとすることで大人気となったパワーレンジャーのことは、まだ記憶に新しいと思う(つーか、むこうじゃまだやってる)。

このように、日本で人気があってもそれがそのまま海外で通用するかというとなかなかそうもいかないことは周知の事実となった今、果敢に海外進出を企てる日本の人気物がある。正確にはもう進出しはじめた、その名は「TAMAGOTCHI」(たまごっち)。今や知らない人もいないだろう。

「海外版が出る」という話は結構前に知ったのだが、きっと物(たまごっちそのもの)としては日本語表記の部分が英語になるくらいで、他はほとんど変更なしだろうと思っていた。案の定、海外で売られているTAMAGOTCHIは日本のそれとほとんど変わらない。

他の日本製おもちゃもだいたいそうなのだが、おもちゃそのものはほとんど日本と変更なしで売られることが多い。パワーレンジャーのおもちゃもしかりだ。でも、まったくそのまま持っていってもダメなことは前述の通り。ではどうするかというと、パッケージ(化粧箱やチラシなどのイラスト)を海外風に描き直すのである。セガのソニックが日本とアメリカでイラストがちょっと違う、といった風にである。

さて、たまごっちについてはどうであろうか。たまごっちはいまだ入手が困難なので、もしかしたらパッケージを見たことがない人もいるかもしれないので簡単に説明しておくと、んも〜もろ(日本の)女子高生向けのイラストでかためられたパッケージである。どう考えてもこのままでは海外に持っていけない。

個人的には、海外版は別にほしくないけどイラストがどうなるかに非常に期待していた。

おもちゃについて、日本の文化がアメリカで受け入れられないのと同じように、アメリカの文化もまた日本では受け入れられにくいものである。トイザらスで売られている輸入おもちゃを見たことがある人もあるかと思うが、はっきり言って赤ちゃん向けでも恐怖を伴う(笑)。特にキャラクター商品あたりはなんかみんなアメコミ調という感じで、日本ではスマートなイメージのものが妙にゴツかったりするのである。

私の言う「期待」とはその文化間のギャップで、あのファンシー道も極まったたまごっちがどれ程ゴツくなるかに期待していたのである。発売前、バンダイアメリカホームページには「TAMAGOTCHI」の海外でのロゴのみが掲載されていて、そのゴツさに期待は高まる一方だった。

「きっとアメコミヒーローみたいなたまごっちなんだ。筋骨隆々なんだけどくちびるむっちゅ〜んで、無精髭はやして葉巻くわえてたりして」と、妄想は広がる一方だったある日、バンダイアメリカのリリースページに海外でのイラストが多数掲載されているのを発見した。期待に胸躍らせてクリック‥むむむ、多少は違っているものの、なんかあんまし変わんない。

なんだよーこれじゃ向こうで売れないぞーとブツブツ言いながら次々とページをみていくと、博士(たまごっちを発見した人物という設定の、設定のみのキャラがいる)のイラストがやや洋風!期待してた程じゃないけどウレシ〜!(笑)。やっぱそうだよね、洋風にしないといけないよね〜!(^_^;

しかし驚いたのはこの後。なんと本体の機能にも洋風変更がほどこされていたことが判明!隠れキャラとして登場する「おやじっち」のキャラクターが変更されていて、なんかいかにもガイジンといった風のキャラになっているのだ!こりゃイカス!「デカ鼻っち」か!(笑)

確かにあの「おやじっち」は海外で通用しっこないキャラクターだが、それに代用されるキャラクターがあの「デカ鼻っち」(勝手に命名)なのだろうか。うー、やっぱり向こうの文化はわからんぞ(笑)。なんか海外では発売日にスモウ・レスラーが店頭でTAMAGOTCHIを売っていたりしたそうだが、もうこの辺も理解の範囲外に達している。

という訳で、ちょっと期待外れだったものの海外「TAMAGOTCHI」は微妙に洋風になっていたのであった。やっぱりさー、アメコミ風キャラにしなくちゃダメっス(笑)。さもなきゃバービー風(^_^;