ぶらりパスネットの旅 端ツアーセカンド西高島平篇

(↑上の日付は旅行日を示しています)
2006/10/15 初版作成

【おそらく一番近い端】

「端まで行こうツアー」を立案した当初から、ずーっと気になって仕方がない駅があった。


路線図

この、青い線の先端。

都営三田線 西高島平駅。巣鴨以北、どことも交差せず脈々と伸び、この駅より先にも何もないので、やたらと突き出て見える。それ故、パスネットのエリアマップでもなんとなく「端っこのほう」にいるのだ。

端っこのほう、ったって、都内である。都内でも多摩とかそういうところならともかく、23区内。日光だ箱根だと、ちょっとした観光地が並ぶこの企画の中に、ここを含めるかどうか‥最初に選定したときは、他にいっぱいあったので、ここは真っ先に省かれた(笑)んだけど、二回目の設定時はつくづく悩み、とりあえず設定してみた。それでも「いくら端っこのほうならOKったって、ここはなぁ‥」などと納得のいかない日々が続き、他の趣味にハマって以前のようにぶらり旅をしなくなって数年、その間もずっと首をかしげていた。


結局「浦和美園がアリならここもアリだろう」とか、後述する他の目的もあって、とりあえず行ってみることにした。


【勝ってくるぞと板橋区】

10/14といえば鉄道の日。でも毎年だいたいこの頃、土日の夕方にちょこっと仕事をするので、2001年の頃のような豪勢な旅を企画したりなどはできない。この日も夜に仕事なので、夕方都内で友人に会う約束をする程度に用事を設定。でも昼間の間に行けるな、とぶらり旅決行。

一応端ツアーのルール「往路はパスネット導入路線のみ」を適用‥っても、大和→(小田急江ノ島線)→中央林間→(東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線)→神保町→(都営三田線)→西高島平 と、乗り換え激少なでラクラク。このあたりにも端駅設定に疑問が残るが、大和から行くとなるとそれなりに時間がかかる。また大半が地下なので、景色も見えず退屈だった。


志村三丁目のちょっと手前から地上になり、板橋な風景が広がる。高島平の駅からガスタンクとか見えて感動。ガスタンクのある景色大好き。欲を言うなら、まわりにビルとかがないといいんだけどな‥昭和40年代後半、そんな景色に微妙な都会を感じた幼い頃の記憶が蘇る。


自宅を出てから約2時間、そう思うとやっぱ遠いナ、とようやく西高島平駅に到着。


西高島平駅その1

西高島平駅の南側出口。
正面は高島通り(都道447号線)。

西高島平駅その2

駅舎。奥が目黒方面。
この写真だと手前はまだまだ続いてるようだが‥

西高島平駅その3

ブロック塀で末端を主張(笑)
浦和美園みたくその先に車両基地があるとかなく、
実に「端」らしい駅だった。

西高島平駅その4

こちらは北側出口。
正面は板橋トラックターミナル。

板橋トラックターミナル

トラックターミナルを駅出口からみると、
名鉄運輸のトラックが並んでいた。こぐまが「ぬ〜」ってかんじ

西高島平駅前その1

駅前の陸橋クロス地帯、三園2丁目交差点。
一番上は首都高5号池袋線、中段の緑色は「高島陸橋」と書いてあった。
中央の看板には「←高島平五丁目 三園一丁目方面」「→三園二丁目方面」

西高島平駅前その2

国道17号新大宮バイパス。上が首都高池袋線。

とにかく駅前で道路が立体に重なり合っており、車ビュンビュンなところであった。西高島平って、あの首都高5号線の直角コーナーの近くだったのね。狭くて恐いんだよな〜 というほど走ったことはないけどネ(2〜3回)。


【ぶらり企画以外の、来た目的ってのは】

道以外特に何もないので、こんな写真をパチパチ撮って都心へ戻ることに。帰りの電車では、さっきガスタンクが見えたほう(北側)とは反対が眺められる席に座った。来たときも思ったけど、高島平から志村三丁目あたりまで団地だらけ。一棟々々の大きさにもビックリ、そんなのがいくつも並んでるのにまたビックリ。実はいま引っ越し先の選定をしていて、高島平近辺はどうだろう、というのが今回来た理由だった。といっても電車の中から見ただけなので詳細はわからないが、電車に乗るだけでも通勤のイメージはかなり沸くし、他の乗客から周辺住民の雰囲気もなんとなくつかめる。短時間の訪問だが、それなりに来た意味はあった。

以前新聞で、高島平界隈の現状を伝える連載記事を読んだ。経済成長を支えたサラリーマンが暮らしてきた高島平、少子化などによる人口の減少、そして今は高齢者多し、といったようなことが書いてあった。その連載は、高島平を舞台に「格差社会」の問題提起をするほうが主題なので、その内容を真に受けてたら不動産探しなどできないのだが。にしても、かつて繁栄の象徴、みたいなものは、巨大でおびただしい数の団地から見てとれた。

「なんとかニュータウン」カリントニュータウンとか(懐カシ〜)、そういうところに住むという憧れは、ガスタンクに都会を見ていた子供の頃からあった。田舎に住んでいたので、そういったいかにも「都会」みたいなものに強く惹かれていたんだろう。でもここ数ヶ月、そんな団地だらけのところを見てきて、軽い吐き気みたいなものを感じている。なんか恐いのだ。もともと巨大なもの恐怖症(大仏とかでっかい水槽とか苦手)な私なので、そういう面での拒否反応なのかもしれないけど、先の新聞記事にあるように「かつての繁栄の象徴、の残骸」みたく言われるようになったことが頭の片隅にあって、無意識のうちにヤな感じになっていたのかもしれない。

今日チラッと訪れた高島平は、決して悪い印象ばかりではなかった。先日これまたちょっと訪れた光が丘もそうだった。しかしあの巨大団地群をしばらく眺めていたら自分はどうなるのか‥‥かつての憧れと今の拒否反応。志村三丁目を過ぎて地下に潜ってから、そんなことをしみじみ考えていた。


このあとは池袋で買い物(東武グループキャンペーン2006のカード)や友人との面会のあと、仕事をして帰宅。近いだ楽だと難癖つけていたけれども、「いかにも端ィ〜ッ!!」って感じの駅で、選定に誤りなし、と考えをあらためた。住宅事情について(まとまりはないものの)いろいろ考えることもできたし、実りあるぶらり旅だったと思う。