すたみな太郎体験記−発動編−

平成11年2月13日(土)快晴。この日の午前中、私は歯医者の予約が入っていた。そう私は現在歯の治療中。仕事が忙しいのと痛みがないのとでなかなか通院しなかったため、口中全般にわたってボロボロである。虫歯はすぐに治したほうがいい、と通院しだすと思う。

それはさておき、虫歯治療中の状態で食べ放題に挑むのはコンディション最悪である。ちゃんと噛めないからおいしくいただけないし、どうせがっつくだろうから治療中の歯にもよろしくない。しかし、この歯が完治するのを待っていたらすたみな太郎が逃げてしまう。ってそうそう逃げやしないだろうが、ありえない話ではない。治療中の歯を気づかいつつスピーディーに。今回、すたみな太郎初体験とともに、自らのイーティングスタイル確立も大きな目標であった。(←なんて大袈裟に書いてるけど実際そんなことたいして思わなかったのよね)

歯医者が終わりいよいよ出発。同行はかみさん。もちろん二人とも朝・昼抜きだ。というのも出かけるちょっと前に起きたからだが(朝弱い)。そして電車で小田急線相模大野駅に到着。住所はわかっていたので場所の見当はついていたが、詳細にはわかっていなかったため適当に歩き出す。駅からは少々歩いたが程なく到着することができた。

#相模大野店の住所は江戸一のページ等を参照していただきたい。
#駅から向かって伊勢丹の左奥方面、「ロビーファイブ」という、お店がいっぱいある施設の奥〜の方にある。

店入口前に立ち、いきなり感無量の私。探したぜすたみな太郎。見ると入口ドアは開放されていた。店からして口開けて待ってるよ。我々は吸い込まれるように店内に突入した。

食べ放題なので先に会計を済ます。到着したのが13:13、金額は1,980円/人だった。ランチタイム980円って書いてあるのになぁ‥と思ったのは食べ始めてしばらくした後だった。迂闊。でも本当にランチタイムサービスしてるんかな。

会計後、店員に導かれて着席。時間制限は1時間半、食べ残しが多い場合は料金追加の可能性有りという注意事項を了承。割り箸と中皿2枚/人が渡された。

すたみな太郎は焼肉がメインなので、テーブルも焼肉仕様だ。つうか焼肉がメインじゃなくてもそうなってないと焼肉喰えないが(笑)。で、セルフサービスなのでまずは食べたい物をとりにいく。‥とここであらためて周囲を見渡すと、午後1時過ぎだというのに店内は閑散としていた。真昼を過ぎているとはいえかなりの空きっぷりだ。やはりヤバイのかすたみな太郎!‥でもま、駅からちょっと離れてるしな、何より空いてる方が取りやすくていいやと結局楽観視。そんなことより肉だ寿司だ!

それではここで、すたみな太郎相模大野店 2/13現在の食べ放題(バイキング)レイアウトを紹介しよう。記憶を元に書いているので誤り・抜けがあるかもしれないし、今後変更になる場合もあるので注意されたい。って注意する程のことでもないが。なお、下図でだいたい6〜8畳ぐらいの広さだった。客席はひろかったからか、ここは意外と狭く感じた。

すたみな太郎相模大野店レイアウト
すたみな太郎相模大野店 食べ放題レイアウト(1999/2/13)
  • 焼肉ゾーン:焼肉はさすがメインだけあって一番品数豊富であった。カルビ、ミノ、タン等のメジャーなレパートリーに加えて焼鳥やつくね、ハンバーグみたいなものもあった。カルビは通常のものに加え「太郎カルビ」という、ほぼ正方形で厚みがあり、脂身の少ないカルビがあり、さすが屋号入ってるだけあってうまかった。なお、焼肉ゾーンの左下方にこっそりカニゾーンがあったことを私は見逃さない。細身のタラバ一種のみ。
  • 寿司ゾーン:中トロ、イカ、いくら等のメジャーなにぎり・軍艦巻きといなり寿司があった。実は私は寿司の中で一番カッパ巻きが好きなのだが(安上がり)、巻物はなく残念。寿司ゾーンの右隣には酒カウンターがあり、酒類はここで受け取る。
  • ドリンクゾーン:コールドドリンク(コーラ等)は別料金。「紙コップが有料」(上図の左がコップ自販機、右がディスペンサー)で、コップがしなしなになって飲めなくならない限り飲み放題というシステムだった。酒については飲まなかったので不明だが、まったく同じではないと思う。
  • 飯・スープゾーン:味噌汁、コーンスープ、白飯、そして赤飯があった。目出度いなぁと思ってたらかみさんが「カレーもあるよ」と。「味噌汁ぶっかけ赤飯カレー」も可だ。
  • サラダゾーン:サラダといってもシンプルで、キャベツ・レタス・わかめ・プチトマト・ポテトサラダだった。加えて左横にはおもむろに大学いもが盛られていた。「ポテトサラダと大学いもで腹をふくらますつもりか、そうはいかん」と慎重になる私。
  • 讃岐うどんゾーン:麺だけが盛られたおわんが数多く並んでおり、下部に湯煎とざるがあるので湯がき、うどんつゆをかけて薬味を入れるというシステム。量はわんこそばの一杯+αといった程度。湯がく所作がうどん屋を擬似体験できておトク(笑)。
  • お茶ゾーン:高速道路のサービスエリアや市役所などにある、お茶ディスペンサー形式で日本茶とコーヒーの2つがあった。これらは追加料金なし。ちなみにお茶ゾーンの左横にこっそり皿が置かれていた。これに気付かず、最初に配られた2枚の皿でなんとかしなければいけないのかと思い、汁系のもの(牛タンとか)を控えていた。ちなみに小皿は目立つところ(ケーキゾーンなどいろいろ)に置かれている。
  • デザートゾーン:シュークリーム、みつまめ、プリン、プチ大福等のデザート系。意外と充実していた。実は相模大野店は近くに学校が多く、女子学生をターゲットにしてるのかと考えたが‥(つづく)
  • ケーキゾーン:(つづき)‥ケーキが4種しかなく、そんなでもないのかなとも思ったり。なおケーキゾーンにはゼリーもあった。
  • アイスゾーン:バニラ、チョコ、抹茶等、サーティーワン等で買えるようなアイス6種。うち2種(だと思う)はシャーベットだった。専用のあの球状に盛れるスプーン(っていうのかな?)を使用する。これもアイス屋を擬似体験できて以下略。

焼肉・寿司・カニのみならず、うどんやカレーまであることに驚きを示しつつも、まず最初はメインの焼肉(太郎カルビをチョイス)と寿司、そして密やかにたたずんでいたカニをゲット。我が家の食卓でも普通のレストランでもまず一緒になることはないこれらが一度に‥まさに口中異種格闘技戦状態!(古舘か)‥‥感想は「妙」(笑)。どれも好きな食べ物だし、一緒に喰ってまずくなる等とは感じなかったのだが、とにかく妙な体験である。しかしそれも束の間、「これがやりたかったんだ‥」と感動も新たに食をすすめる。

カニはお気付きの通り食べにくいので、時間制限有の食べ放題向きではない。そこでカニはこれっきりにし、全行程に肉をからめつつ寿司(また)、味噌汁、サラダ、うどん、赤飯と続けざまに食べる。かみさんは好物のミノをメインに、つくねなどこういう店ではめずらしいものを食べていた。

入店から約1時間、私の満腹中枢もだいぶ刺激されてきたのでここで食事は終了。コーヒーを飲んで一休み。この時間(14:00頃)になって次第に客が増えてきた。理由はよくわからないがやや安心する私。

最後のデザートに入るが、デザートが豊富なのでプリン、プチ大福、アイス(バニラ&抹茶)と3種ももってきた。どうせなら喰ってかないと、と貧乏症全開。かみさんはケーキと、プチなのが気にいったらしくプチ大福を食べていた。

さぁここで全終了‥かと思ったら大間違い。仕上げにデザート第2弾。ケーキ、ゼリー、そしてとどめのいなり寿司だ。食事は完了と見せかけてフェイントのファイナルいなり!この「ファイナルいなり」のネーミングに自分で酔いしれ、デザートとデザートの間に頬張る。頬張るもののもう胃の許容範囲はとうに超えているので結構キツい。しかし食べ残しは御法度だ、ということでゼリーとケーキをほぼ一気喰い。ちなみにかみさんは第2弾なし。

これにて全終了とした訳だが、普段食事では痛くなったことのない左横っ腹が痛くなる。原因は喰い過ぎだ(あえて言わんでも)。「あいたたた」と言いながら休憩をとり、とりあえず落ち着いたところでちょうど1時間半ぐらい。痛みはたまらんかったがご満悦ですたみな太郎を後にした。帰り際に店員さんがドリンクの割引券とガムをくれた。

帰り道、あきらかに喰い過ぎの我々は通常の速度で歩くこともままならず、ちょっと歩いては腰掛けて、とあわれな姿であった。とかいいつつ伊勢丹などに寄り道してたんだが、ようやく駅前に到着した頃にはかなりヘトヘトだったので、アンナミラーズで休憩(笑)。店員(なぜ我々の席だけ男〜!)にさんざんパイをすすめられたが、とてもじゃないけど食べられないのでコーヒーのみ。しばし観覧もとい歓談して帰路についた。

初のすたみな太郎体験‥というより「ひさびさの食べ放題」感のほうが強かったが、やはり焼肉と寿司とカニとその他もろもろを同時に食べられる体験はそうそうできるものではない。貧乏サラリーマン故焼肉も寿司も滅多に食べにいかないため、まさに盆と正月が一緒に来たような気分だった。ありがとうすたみな太郎。忘れた頃にまた行くよ。

最後に、肝心の味はどうだったかというと‥想像できるかと思うが(笑)いわゆる「食べ放題」な味である。もともとそういう味を覚悟して行ったので、かえっておいしくいただけた。腹へってただけという説もあるが。まぁ、劣悪な味ということはないと思う。

すたみな太郎は個々をじっくり味わうのではなく、異種食品が口の中で交わるワンダーランド感(やっぱり古舘)を楽しむ店だとあらためて、肌で実感した。

−この項了−