タッチの功罪

SuicaやPASMOなどの非接触ICは本来、改札の読取部分から半径10cmくらいまでの離れた部分で、0.4秒くらいかざせば認識される(距離も時間も曖昧な記憶なので正しくないかも)。で、ICは定期入れや鞄の中でも大丈夫。この仕様は今でも基本的には変わらないはずで、つまり「改札に1秒間タッチ」しなくても別にいいのである。でも、改札通過時の0.4秒というのは、やってみるとわかるけど結構長くて、読み取ってくれない=改札が閉まってしまうケースが多い。Suica本格導入前、モニター試験でそんな問題が発覚したJR東は、ICカード&読取機の性能をあげられない状況で、改札機の形状と「しっかりタッチ」という使わせ方で回避しようとし、現在に至る。Suica本格導入から6年がすぎ、首都圏では「非接触ICはタッチ1秒」がすっかり定着。別に0.4秒の空中滞留が難しくないコンビニのレジでも「タッチお願いしま〜す」と言われるまで浸透してしまった。

せっかく「非接触」なのに触れなければいけないなんて、なんかもったいないよなー、なんて改札を通るたびに思い、せめて自分だけはと空中にかざしてたりしている。それが誰の何のためになるのか(笑)などと考えていた今日の帰り、中央林間駅の改札で、まるで親の敵のように改札に定期入れを殴りつけ、ものすごい音がしたかと思うと定期入れは跳ね返ってとんでいってしまい、結果改札は閉まる、という目にあっている人を見かけた。この人を含め、いまや多くの人が「しっかりタッチすることが大事」だと思っているから、強く押しつけちゃうんだよね。力任せにぶつけないにしても、人によってはわざわざ財布等からカードをとりだし、読取機にべったりこすりつけるようにしている人もいる。この場合は、財布に複数枚のFeliCaが入っているからかもしれないけどね‥

こんな現場をみるたび、つくづく中途半端な仕組みだよなぁと悲しくなる。改札でのエラーを少なくするために「タッチ&ゴー」というアイデアをひねりだしたことは賞賛に値するけど、この調子だと読取機は予想よりはやく壊れるんじゃないかな。私はあまり現行FeliCaの仕様は好きではないので、はやく次世代になってほしいと思ってしまう。あ、ペンギンやロボットは大好きです(爆)。