キリ番ゲット

自分のWebページにアクセスカウンタを設置している人は多いと思う。その目的は以下のようなものだと私は考えている。

  1. アクセスログなどを自由にとれず解析がしにくい環境下で、自分のページにどのくらいのアクセス数があるかを知るため
  2. (総数も多く、日々の増加量も多い場合)アクセス数の多いサイトだという宣伝効果

1 についても 2 についても、その目的は大いに意味のあるもので、アクセスカウンタというものの有用性をあらわしていると思う。ただ 2 の場合、設置したはいいものの思うようにアクセスが伸びず、逆効果になってしまうこともあり、諸刃の剣ともいえる。そんな大袈裟なもんじゃないか。

ただ、私は「アクセスカウンタを作る」ような仕事をしている関係上、その実態がいかにいい加減なものかを知っている。匿名性の高いインターネット環境下にあるアクセスカウンタの数値が何を意味するのか。よく「訪問者数」と表記しているところを見かけるが、絶対にイコール人数ではない。一人がリロードしまくってるだけかもしれない。リロード対策が施されているカウンタもあるが、その対策がわかってしまえば一人で数値を伸ばすことも可能だ。もっとひどいケース、カウンタの数値を自由に変更できる権限がある場合、突然1,000,000HITを水増しすることもできる。

その正体は「カウンタへのリクエスト数」であり、人の数ではない。といっても「このカウンタに○○のリクエストがありました」と書いてあってもピンとこないし、多くの場合知りたいのは人数であろう。だから「リクエスト数=人数」としているんだろうが、どう考えても違う。

そんな訳で、私はアクセスカウンタというものをほとんど信用していない。指標程度のものである。ではなぜ当ページの何ヶ所かに設置してあるかというと、まぁ、いろいろ裏の理由があって、はずすのが面倒なだけである。もうひとつ、上の 2 の逆の効果(人をよせつけない)を狙っているというのもある。嫌な奴だ(笑)。

だから、アクセスカウンタというものの有用性を理解しながらも、どうも嫌悪感があったりするのだ。複雑な心境である。最近はワリとどうでもよくなってきているが(歳かな)、あらためてこうやって書き出してみるとそんなことを書いているんだから、以前からあまり考えは変わっていないのだろう。

「キリ番」とかいうのがこの日本では定着している。10000とか、カウンタでキリのいい数値を表示させた(「踏んだ」というらしい)ことを喜ぶ習慣だ。サイトによってはそれを報告させ、「キリ番をゲットした人」といって一覧表にまでしているところもある。

それに何の意味があるのだ、と、先に嫌悪感だなんだと言っている私はよく思ったりする。しかも「絶対にキリ番を表示させないカウンタを作ってやる」とまで考えたりしたこともある。9998 の次は 10001 になるようなカウンタ(9999はキリ番化される可能性があるのでとばす)。あー、つくづく嫌な奴だ(笑)。

なんてことを考えながらある日、私はあるサイトで「キリ番」を「踏んだ」。

292929

肉!肉!肉!(東亜プラン風)なるほど、「キリ番」がなぜ嬉しいのかわかった気がする。下手にキリのいい数値より、こういう語呂合わせ的な数字が表示されるとなんだか嬉しい。「4649」「5963」「193」なんかが出た日にゃあ、全然知らない人なのに報告しちゃうかもしれん。

数値の信憑性が薄かろうが何だろうが、めずらしい数値が表示されるのは偶然性の高いことであり、そこに喜びを見いだすのは自然の行為かもしれない。あらためてキリ番ゲットした人におめでとうを言いたい。おめでとう。なんて、こんなヘンクツな私に言われても嬉しかないか。